人気ブログランキング |

マルクスの全体像を分かりやすく

吉俣です。

日曜日は、青森市浪岡で開かれた「相沢良を語り継ぐ会」に参加してあいさつをした後、党女性後援会が開いた学習交流会であいさつをしました。雨でした。
月曜日は、東京に出張。会議でした。県内が強風だったため、電車が減速となり、朝は新幹線に乗り遅れ、夜は予定より遅く帰る、ということで、少し疲れた一日でした。

その東京の本屋で新刊を買いました。

不破哲三『マルクスは生きている』(平凡社新書)。

一気に読んでしまいました。

不破さんは、「マルクスの理論を全分野であとづけ、その目で現代を見たら何がみえるかを語る」という自己課題があったことを語っていますが、本書全体が、マルクスの全体像を見事に描き出し、それをどう現代に生かすべきなのかを明らかにしています。
不破さん自身の最新の研究の到達点(つまり、「マルクスをマルクス自身の歴史のなかで読む」という研究方法にもとづく到達点)を、そこらかしこに感じることができた一冊でした。

一言で言えば、「科学的社会主義の最新の到達にたって紹介する、マルクスの全体像」という一冊です。

マルクスに興味がある方に留まらず、資本主義の現状について「これでいいのか」と思っている方、共産党に興味がありつつ、「なんか不安」と思っている方、「社会主義をめざすって、ソ連みたいなものでしょ?」と思っている方など、広く手にとっていただきたい一冊です。





マルクスを語るときは、経済理論(資本主義批判)の部分がピックアップされることが多いのですが、不破さんは、文字通り「マルクスの理論を全分野」で紹介しています。それは、「世界観」「資本主義批判」「未来社会論」という三つに整理された全体構成からも読み取れます。
また、不破さん自身も語っているように、マルクスは誤解が多い人物です。この点もかなり意識されて――とくに、未来社会論で――書かれているなと思いました。
誤解の代表格は「ソ連崩壊=マルクスの失敗」という図式ですが、革命論についての誤解(「マルクス=暴力革命」)についても、マルクス本来の革命論は、「議会の多数を通じた革命」だったことを明らかにしている点は、かなり力が入っていると思いました。それは、この部分でほとんど唯一、日本共産党綱領の規定が紹介されていることからも感じた次第です。

他にも、次のような点が印象に残りました。

世界観について。益川さんの研究の到達もあげながら、「弁証法が自然科学の発展の羅針盤として役立った」ということの紹介。
資本主義批判の部分で、現代日本の非正規雇用の問題を、現代の「産業予備軍」として位置づけていること。
資本主義批判の角度を、「労働者の苦難(搾取の実態など)」「資本主義を死にいたらしめる病(恐慌論)」「究極の災害(地球環境問題)」という展開でおこなっている論理。
恐慌論について、マルクスの恐慌論を「恐慌の可能性」「その可能性の現実性への転化」「運動論」という原理的な展開を紹介するととともに、その論理が、今日の世界経済危機に貫かれていることの強調。
未来社会についてのマルクスの理論の論立てを、「未来社会への変革のカギ」「未来社会論の特徴」という整理。
その前者について、マルクスが未来社会の青写真を描かず、現代社会への批判から出発したことから議論を出発させていること(「マルクスは知恵のしぼり方が違った」)。
未来社会の後者について、「過渡期への探求」「革命のみちすじ」「未来社会の政治体制」「農民問題」「国際関係」などで整理していること。


私たちは、日本の資本主義の現状を「ルールなき資本主義」と呼んで告発していますが、そのことの原理的な意味なども考えさせられたりしています。ただの、「理論書」ということにとどまらず、現代の日本の社会発展の運動にとって、欠かすことのできない一冊だと思いました。
by yohimata | 2009-05-19 21:25 | 吉俣が学び考える!!
<< 八戸市で市田書記局長を迎えた演説会 民主党新党首。「西松建設」の「... >>